加齢黄斑変性症
加齢黄斑変性症について
加齢黄斑変性症は、私たちがものを見るときに使う黄斑部の機能が障害される疾患です。「滲出型」と「萎縮型」があり、「滲出型」は、新生血管が発生し出血することで網膜に障害がおこるタイプの疾患です。進行が速く急激に視力が低下します。また、「萎縮型」は、網膜の細胞が加齢によって変性し、老廃物が蓄積して栄養不足になり、その結果、除々に萎縮する疾患です。進行が穏やかなので気づかない人もいます。「萎縮型」の場合も、経過とともに新生血管が発生することもあるので経過観察が必要です。
発生の要因について
- 加齢によるもの
- 喫煙によるもの
- 高血圧によるもの
- 栄養状態によるもの
- 遺伝の関与
などがあげられますが未だに完全に解明されていません。
症状について
- ものがゆがむ(変視症)
- 視力が低下する
- 部分的に見えづらくなる
- 視野の中心が見えづらい(中心暗点) などがあげられます。
検査について
- 視力検査 現状の見え方を検査します。片眼ずつ発症することが多いので、両眼で見ていると初期には気づかないこともあります。
- アムスラー検査 必要があれば、歪みの程度を確認します。
- 眼底検査 眼底の網膜の状態を詳しくしらべます。基本的には、検査の前に目薬をさして瞳孔を開きます。
- 眼底写真 病気の広がりを確認します。
- 眼底3次元解析 黄斑変性症の早期発見ができます。黄斑部に新生血管が生えてきます。新生血管が出血してしまう前に発見し、適切な治療を受けることが必要です。また、この病気は治療後も残念ながら再発することが少なくありません。一旦の治療が終わったあとの定期検査で再発を早くに発見することもができます。また、片目が黄斑変性症になられた方は、時間の経過とともに、40%程度の方に、良い方の目にも発症することがあると言われています。そのため、当院では、定期検査は病気の目のみでなく、両眼で眼底3次元解析を行い、早期発見に努めております。
治療について
滲出型黄斑変性症の新生血管から滲出液がでていて活動性がある時は、抗VEGF薬を眼内に投与する方法や、光線力学的療法(PDT)などでおこないます。当院では、適切な時期にしかるべき施設へご紹介し、治療を受けていただきます。一旦の治療が終わったあとに、再度当院で定期検査をさせていただき、万が一、再発をしてしまった際には早くに発見できるようにしております。加齢黄斑変性症は、再発や、片眼にも発生することがあるため、治療後の定期検査も非常に重要です。