2月17日
[2016.02.17]
そろそろ、卒業シーズンになってきますね。
当院でまぶたの手術を予定されるかたも、まぶたの手術はダウンタイム(手術後の目の周りの腫れが落ち着くまでの時間)がありますので、術後の患者様のイベントに合わせて手術日を相談しています。
卒業、入学シーズンは写真に写る機会も増えますので、イベントにダウンタイムが間に合うのか、イベント後にしたほうがいいのか、の相談のなかで、「卒業式」「入学式」という言葉を聞かれるようになりました。
入学といえば、お子様が小学校に入学する前の就学時検診で視力低下を指摘されて眼科を受診されることがあります。
軽度の近視などで矯正視力がでればいいのですが、遠視や乱視で矯正視力のでないお子さんもいます。
お母様にお聞きしても、3歳児検診で問題ないといわれていたし、生活の上で見えにくそうな様子もありませんでした、と言われることがほとんどです。はっきりみえる、ということを経験していないお子さんは、それが普通なので、異常を自分で訴えることはほとんどありません。
重度の遠視、内斜視(目がまっすぐ向いていないので、ご両親が気付きます。) などは3歳児検診前に治療を開始していることが多いのですが、中等度の方が治療されないままとなってしまいます。もちろん、大多数のお子様は問題なく矯正視力がでるのですが、視力がでない、弱視になっているお子さんもいます。目はまっすぐ向いていても、乱視などでピントがちゃんとあっていることがないと、弱視になってしまうのです。
私は以前から、子供の視力低下は早めに発見してあげたほうがいいと思っていて、前職で保育園の園医をさせていただいていたとき、3歳、4歳、5歳のお子さんに定期健診で、毎年視力検査をしていました。
特に3歳の多数のお子さんを限られた時間で視力検査をしていくのは、大変でしたが、毎年しているうちに、保育園の先生方も定期検査の前に、視力検査の練習などをしてくださり、また、4歳児、5歳児に成長したとき、初めての検査でなくなるので、だんだん上手になり、時間内に検査できるようになりました。先生方の協力がなければ難しかったと思います。お忙しいなか、未就学児の視力検査の重要性を理解していただきご協力いただけたこと、感謝しています。
集団検査なので、定期検査で視力不良となっても、眼科に受診したら大丈夫なお子さんもいましたが、近視や乱視、弱視も見つかり、眼鏡装用治療が早めに開始されるとことになり、よかったと思うことが多かったです。
生まれたての赤ちゃんは、0.01の視力しかありませんが、生後3か月の時0.1、生後6か月0.2、3歳で0.6~0.9急激に発達します。視力は生まれたときに完成しているわけではなく、就学前に、はっきりとしっかりと見える、という状況が視力を成長、完成させていくのです。残念ながら、成長は、大体8歳ごろで終わっていまします。早めの発見が大事なのです。
そして、視力だけでなく、立体視にも影響がでてしまいます。立体視は視力より早く完成してしまうので、より早期に発見したいものです。
4-5歳児を対象に、矯正していない遠視のお子さん(はっきりとみえていない。)と遠視、近視、乱視のないお子さん(はっきりとみえている。)の識語力を比較したところ、有意差があった、と海外の医学雑誌にでていたのをみて、今回は子供の視力検査についてちょっと書かせていただきました。